暇つぶしに/梅昆布茶
 
僕たちは飽和のなかでなにかを学んでゆくあるいは欠乏のなかで

僕たちは清潔な生活を棄て快適で不潔な世界を夢みている

僕たちは邪悪な想念をふきこまれて育った孤児なのだろう

首都高の霞ヶ関ランプを降りると
財務省 外務省 議事堂

コンビニエンスストアさえもなく
したたかさもない日本国旗がどこかの国旗と
ともにはためいている午後

弁明もできない国家がすましてあった

人間を必要としない代々木のドコモタワー のように
誰も必要としていないのだが

彼女が面倒くさいのか女そのものが
面倒くさいのか
僕はしらない

日常のせわしなさが僕を追い越していっても

僕たちはいつも童話を読んでいる

革命を夢みることもなく

ただの日常を生きる

そうでもなくても暇つぶし

彼女があくびをする


















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