未来は平和でならなければならない1/暁い夕日
 
。  ある日、満知瑠の住む町で空襲があった。それは内戦始まって以来の大きなもので、満知瑠は命からがら逃げだした。逃げる途中で母親とはぐれてしまった。町がどんどん焼の原となり、真新しいビルさえ瓦礫と化した時間、満知瑠は瓦礫の陰で、母の為に神に祈り続けた。 爆音がやみ、静かさを取り戻した町は、満知瑠の知る故郷ではなくなっていた。 少し町を歩けば、知り合いの死体が目についた。  中にお友達の亡骸もあった。 もはや、平和な日本が消えていた。 満知瑠は、ひざまずいて、祈った。「私の望んでいる主よ、どうぞ、これが夢だと言ってください。私の父が人を殺しました。政府軍の爆弾が私のお友達を死なせてしまいました。でも
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