parfum./むぎのようこ
 

うすく欠けた月を
つつく
くちばし
埋もれたはねの
なめらかな湿りを
靡かせた風の
まだ
つめたい季節

いちまいずつ
剥いだら
花も
あめをよぶ
春はさらさら
ながれる静けさ
はねた
空のあまさ
何度
なぞっても
いい、

つつがない
爪先から
燃え立つのに
かおらない
花の
名前は
わすれた
だから、耳打ち
して




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