涙の先/
服部 剛
ダウン症をもつ書家
金澤翔子さんの展覧会で
母親との二人三脚で書いた
「涙」という文字が壁に掛かっていた
隣には
今は亡き父親と、手を繋ぎ
道を歩いてゆく
幼い頃の写真が掛かっていた
何故か「戸」の部分のみ
濃く書かれ
「涙」の乾いた後に開く
「戸」の先に
何処までも余白が広がっていた
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