鈍る感覚/ムウ
 
悴んでしまったかの様に
何も感じられない 指先
柔らかいのかい 硬いのかい
触れた先に何もない

歯が砕けてしまうかのように
鉄の錆びた味がする唇は
柔らかいのかい 硬いのかい
触れた先に何もない

酸素が失われた惑星(ほし)にいるように
何も通らない 匂いも酸素さえも
優しいのかい 悲しいのかい
吸い込んでも何も届かない

サイレントが当たり前な日常のように
木々や鳥や人々の声 些細な生活音も
鈍いのかい 敏感なのかい
他人に無関心で無機質で何も届かない

最後の力を振り絞り
飛び込む水の中容赦なくボクに入り込むのに
形あるものなのかい 形無きものなのかい
生きてる鼓動さえも 響かない

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