赤日/
につき
それはどこにもなく
それゆえに誰もが乞うもの
その美しさとは何か
失われる前のその前の何かとは
放埓な瞳は射貫かれしこころを知らず
焦点は結実する光の表情へ
恐れを
そして揺らぎを生きている
美しさを湛える湖上は月光の鏡
無垢の道を渡る止まらぬ思い
しかし渡れぬ身の今を染めよ
緑陰深く沈んでいく赤
いのちの中にある何かを
遠い山の暮れに赤日が沈む
安らぎなく
悲しみなどなく
まして音もなく
人格など遥か希薄な永遠へ
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