噛み癖/
ムウ
あ、という声とともに
我がもの顔でもなく 他人行儀でもなく
整然とボクの外を滴る血液
ボクはその血液をまた自分の中に
取り込むように飲む
噛み癖の治らならない 傷だらけの手を
錆びた鉄のような味がする
当たり前のことすぎて
友人は呆れたように鼻で笑った
今日はいつもより
濃いような気がしたんだ
言葉を血液と一緒流し込む
気づけばまた
ボクは指を噛んでいた
戻る
編
削
Point
(1)