噛み癖/ムウ
 
あ、という声とともに
我がもの顔でもなく 他人行儀でもなく
整然とボクの外を滴る血液

ボクはその血液をまた自分の中に
取り込むように飲む
噛み癖の治らならない 傷だらけの手を

錆びた鉄のような味がする
当たり前のことすぎて
友人は呆れたように鼻で笑った

今日はいつもより
濃いような気がしたんだ
言葉を血液と一緒流し込む


気づけばまた

ボクは指を噛んでいた

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