挨拶/
Giovanni
おはよう と言った
嵐吹き荒れ
暗い夜の向こうの
ある晴れ間の朝に
おはよう と言った
誰もいない中空に それから
どこかで交わされている
千の挨拶のことを思った
思ったけれど
思ってみたけれど
誰もいない中空は
やっぱり青々としていて
鳥が鳴き
生い始めた萌え若芽に
滴したたる ある朝に
おはよう と言った
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