今も昔も/千幸
今と昔では生活環境が違うけれど綴る詩は
今も昔も相変わらずな内容で
けれど、それでもいいんだと思えるようになったのは
きっと歳を取ったから
気がつけば自ら自分の時間を止めたあの人より年上になり
世間の暖かさも知る機会が増えた
あの人は世間の冷たさに耐え切れなくなり、と
人伝で聞いて、何だかんだ言っても傍にいた仲間と恋人を
信じられなかったのかもしれない
今でも思出話と共にあの人の名前は上がるのに‥
あの人はいない
誰かが、君の詩と彼の詩はどこか似ていて危なっかしいと
言ってたけど、すぐに撤回した
僕自身も世間の冷たさを目の当たりにしていたのは事実
冷たさを先に知ってたほうが暖かさがよりココロに染みると
知って自分自身の考えが変わったことを知る
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