Lean On/もとこ
 
曇りの日に海へ行った
空も海も灰色なのに
仲介者の努力も虚しく
いまだに和解は成立しない
その国境線は水平で
欠けた世界の端から端までを
頑なに切り分けようとしている
曖昧だが根深いライン
見せかけの直線への固執

アタシは砂浜に座って
ぼんやりとそれを見ている
左横にはアナタがいる
見なくてもそれが分かる
だからアタシは狡猾にも
海風に押されたふりをして
左横にいるアナタへ向かい
ゆっくりと凭れかかる
それに伴い水平のラインも
ゆっくりと傾いていく
それはアナタの肩で
固定化されるはずだった
その角度こそが
アタシにとって
かけがえのない数値

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