求めずに                   /あおい満月
 

かなしくても色を持っていた
あなたのあの頃はもう
終わってしまったのか

この世界の色という色を
自由自在にあやつっていた
あなたは何処へ消えたのか

空の青さを見ても闇を探し
自分よりのも自由で
美しいものを見ては唾を吐き

黒い世界を這うように
生きるようになったあなたには
あの頃の光は見えない

あなたは本当は誰かに
何かを求めたい
けれど猜疑の風が鼻を擽る

だから見える世界を無視して
あなたは闇を描く
けれど、もうそれも限界だ

ペンを捨てるのか
怨念と化した魂を握るのか
あなた次第だ

誰にも求めずに



戻る   Point(4)