四郎ちゃん/もり
ガキのころ 鼻をほじっていたら そんなほじりよったら あんた、サブちゃんになるでえ とよく注意され サブちゃんは目指すべき人間ではないと思っていた そしたら すごいひとじゃないか 高尾に引っ越してきて より思う
あのとき 鼻をほじりつづけて
いたら おれも今ごろは北島四郎ちゃんとして 売れっ子になっていたかもしれない
大人はいつも おれらの健やかな成長を本気で願っているのか?と 疑問に思うようなことを言ってくる
いい学校を出て いい仕事について いい嫁さんをもらったひとが 精神を病んだりしている
親が禁止するものは
だいたい 実は 底ぬけに
楽しいものだった
夜更かし
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