日に焼けた床、むすめのクロゼット、葉っぱをむしるのこと/はるな
 
い付きで買うからてんで統一感のないむすめのクロゼット、黒と灰色と白と少しの赤で構成されているわたしのハンガーラック。夫の衣服は彼の部屋にすべて置いてあって、混ざらない。保育園でむすめが作っては持ち帰ってくる作品たち(おにの顔のかたちのポシェットとか「ぱくぱく(折り紙でできたぱくぱくさせるもの)」とかビニール袋でできた衣装とか)がぺかぺか色をなげうって、さらに本棚のうえでヒヤシンスが満開、つり合いをとるように褪せて乾いていく吊るされたばらとユーカリ。わたしはこのすてきな部屋のだれにもみつからないところに、胸のうちで飼っている灰色の部屋を隠しておく。

あたらしい仕事場へは週3回行く。バスと電車で
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