断片/鷲田
し 白く積もった雪を踏みしめる歩みは永遠に続くようだった
テレビの音は響き、出演者は家の中で隣に座った
あらゆる声が耳に響き、雑音が会話となる
混雑とは苦痛で、体力は疲労に犯された
女は鈍い男に恋い焦がれその出現を願った
やがてその思いは眠りへと誘われ、道に残った雪は次第に溶けだした
5
新しい景色は暗い闇から現れる
「冒険は生きている限り続くのだ」と折れた樹は語った
明日を見ること それは決意に他ならない
年が過ぎて構図が浮き彫りになる
力とは捻じ伏せることだけでなく、不満を語ることでもあった
仕事の後に立ち寄る居酒屋にあふれる熱気
人は無意識の内に人を傷つける
6
君が取っている行動は正しい 感覚は姿を変えない
その正しさは数年経って初めて真に正しくなる
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