架空デトリタス/むぎのようこ
 

ねむらない
夜を、つむぐ指
薄く
するどい鱗のような

きらめきばかり
零れる

ふれあわない
他人を
みすかすための
口びる
たおれる
花の
はかなさを
とうとばない

羊水のむこう
しろいむくろから
ちりちりと
順繰りに発火する
どこを裂いても
あかく
そまるはね


つもる、


無音に咲いて
みせた空の
あいまからしろく
被う季節
縫合しては
再生しつづける
傷にかよう
血が
生かす羽根、









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