足音/
服部 剛
キーツが本の中から語る
細い川の流れが、視える
道を歩くわたしの影にも
細い川の流れが、視える
時代も国も
異なる二人の間を
結ぶ
ときの川のせせらぎに
耳を澄まして歩けば
会うことも無い
見知らぬ誰かの
足音が
わたしと似た歩調で
遠い明日からこちらへ歩いてくる
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