しずくのこえ/あおい満月
 


**

罪が罪を見つけたとき、
罪はもう一人の罪を喰らうのか
互いの皮膚を噛み合いながら、
血のない血を流して
舐めあい切れない影を追いかけて
今日と明日がいれかわりゆく
地平線に思いをとかして
罪が今日の罪を終わらせてゆく
生きるということは、
見えないなにかを犠牲にする。

今でも、
繭のなかでせめぎあいながら
罪たちが生まれようとする。
丸のみにされる何者かの、
滴の声が鈴になって響く。



※過去詩です。
戻る   Point(3)