夜の空/鷲田
 
薔薇は真っ赤に染まっている
俺の花 一つだけの花
雨が一粒 二粒 薔薇の上に落ちる
空は泣いている 
理想を求めてお前も泣く
その涙は やはり湿っている
二つの要素を持った神の理
何も悪いことは起こっていない
何も良いことも起こってはいないんだ

ただ今はこのままにしておいた方がいい
タバコの煙も流れゆくままに
音だけが鳴り響き
言葉などは昔の時代に置き忘れてしまえばいい
何時だってお前は俺の味方だった
億万の人の群れが生きる中
過去を知っている者など一握りに過ぎない

瞳の奥には欲望が渦巻いている
真っ直ぐにこの現実を見つめることが出来ない
永遠にこの高揚
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