歩く本/
服部 剛
私が今、ここに立っているのは
素朴な一つの謎であり
今日の場面を、静かにみつめ
掌にのる
小さな巻物を開いて
設問を解き明かしながら
歩きたい
重力に支配されるこの世界で
私は、軽やかなステップを探す
教科書は何処にも無い
私自らをひとりの本として
歩けば
道の向こうから
歩いてくる
不思議な本のあなたと、出逢う
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