じゃあね!/梅昆布茶
 
時計のないまちを歩くと
歩数計が時間にすりかわる

きみの面影ばかりがやきついた瞳は
きょうも空疎で狭窄しているみたいだし

きのう人参畑だった農地には
いつのまにかウイークリーマンション

きっと僕が歯の抜けた老人になってしまう前に
街は再開発されてしまうのだろうけれど

風のないまちを歩くと
ときにおもいがけない過去にであう

きにかけながらも歩きはじめるとき
やっといまの
時間と馴染めたりもする

小さな計画を積み重ねながら生きてきた
これからもそうだが
だからときどき天文台に足をはこんで
星々の過去と自分の未来をのぞいてみたりもするんだ


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