鼻血みたいに/吉岡ペペロ
波打ち際の死体を思い出す
欲望のよの字もないような男にやられる
セミが鳴いている
都庁が見える
夏の曇り空を電線が切り裂いている
八百屋で兄と働いている
暑すぎて人影がなくなっている
ジーパンのなかで濡れている
鼻血みたいにはやく冷めない
あたたかなちいさな生き物が
体温ぐらいの懐かしさなんだ
波打ち際の死体を思い出す
欲望のよの字もないような男にやられる
セミが鳴いている
都庁が見える
夏の曇り空を電線が切り裂いている
八百屋で兄と働いている
暑すぎて人影がなくなっている
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