むらさきの階段と夜の歩道/吉岡ペペロ
 
むらさきの階段を羽をつけて降りていく

対峙するおとこと女はスーパームーンに

みじん切りにされて光や電子や素粒子に

観察者はどこにいってしまったのだろう

夜の歩道を老人が自転車で疾走している


世界は繋がってなどいない

見ているところだけの存在

命が錯覚おこしているだけ

それが生きている肌ざわり


むらさきの階段を羽をつけて降りていく

対峙するおとこと女はスーパームーンに

みじん切りにされて光や電子や素粒子に

観察者はどこにいってしまったのだろう

夜の歩道を老人が自転車で疾走している






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