2つの色/鷲田
やがて過行く駅を見て
電車の音はごとごと揺れる
何時もより大きく響きながら
今日はやけに疲れるなぁ
通り過ぎる人の呼吸が
白く見えるのも
冬のせいでは無くて
やけに見開く眼光の奥にある光のせい
席に座ったレストランを去る頃
あの人に届ける大事な土産を
忘れてしまった
スパゲッティの味などと一緒に
ドラマがリアリティで
人生がノンフィクションであれば
君は喜ぶかもしれないけれど
僕はやはり見えない光に向かって
走り続ける馬でありたい
空気は色を身に着けて
囁きが重ねられる頃
忘却の光は永遠の理を語り
僕は僕にまた戻る
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