光の子 闇の子/moote
 
花の音を振りかざし
薬の静けさを思い知る
夕焼けに並び
タケノコの春に帰依する
歌を歌わず
道しるべを横切り
扉を開けると砂煙が舞う
光の子 闇の子
いたちの背が
薬の横顔を畳む

並ぶ腕時計を砂に埋め
闇の光を取り出す
帰りたくないと機関車が叫び
虎の背後を美しくする
音と音と音が
歌を眺めながら遠ざかり
草に尻尾を噛まれた蛙が
木と木に埋められ夜となる

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