絶望の角度/草野大悟2
 
 穏やかな秋晴れの日に、絶望の角度を測っていた。
「その角度は、希望だ。死に至る病だ。間違いない」
昂然と、苦渋に満ちた青白い顔を上げて叫ぶ男が近づいてきた。

── おかしな事を言う。
    あなたは確か、「絶望は死に至る病」と言ったのではなかったか。
  
 絶望の角度が百六十度を超えると希望と呼ばれるようになるんだ。
 そして、そこから二十度右回転して直線になると、あとはひたすら絶望の中を漂う。

── つまり?
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