月の背中/あおい満月
 
かには輝かな
い。それでも私はあなたに憧れて、満ち欠け
ることのない月の棲みかを確かめるために、
夜通し眠らずに空の星を避けながら彷徨って
いたよ。けれど、確かなものなど、何一つ見
つけることはできなかった。あなたのことを
。けれど、私が本当に探していたものとは、
誰にも創ることのできないまっすぐな一本の
道だったということ。あなたはこれから、闇
裏の道を曲がりながら走っていくのだろうか
。ならば私は、まっすぐな、真の道を歩んで
いこう。誰に汚されそうになったとしても、
折れることのない、まっすぐな、まっすぐな
道を。ほら、また誰か、私の身体を喰らいに
きた。少し齧ってみて、その味はどうだい?
とても苦いだろう。それはあなたから滴る血
が黒いからだよ。本当の黒は、きっと誰にも
見えないのだから。私は、あなただからね。

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