鴎/moote
 
燃える二人は一日に挟まれて
死の音を並べながら喉を鳴らす
線に乗り遅れた山と海と空
国を跨いで夜に溶け込む
窓のような退屈さを喜び
二人は冷えながら穴をつまらなくする
山は早起きを繰り返し
海は履き心地の良い道路を食べて
空は何もない歌を雲にする
何もかもが燃えた鴎が死の音を抱えながら空を駆けている
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