あなたという光/AquArium
 
たまに全てが幻だったかのような
ふわりとした感覚に包まれる
部屋の隅に置いてある
明らかにひとつ趣味の違うクッションが
あなたという日々を確かなものにする

寝起きがすこぶる悪く
身支度に時間がかかり
髪型の仕上がりを気にしては
何度も鏡を見る
お気に入りのライダースを羽織り
生意気にサングラスをかけ
お決まりの革靴を履いて出る
ようやく動き出す正午すぎ

冬を呼ぶ風に吹かれていると
目が乾いて鼻が湿っぽくなる
残酷だけど鮮明な匂いだけが
そっと迎えにくるみたいで
あなたという記憶を棄てられない

好き嫌いが激しくひどい
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