抒情の蒸発/
シホ.N
忘れかけてた
傷あとが
ここぞと目を覚ます
脳か心か身体か
どこともいえない
傷がうずく
心の鼓動
血の流動
狂い咲く花
狂い飛ぶ虫
生い茂る草
追掛ける風
傷はなめない
目は
濡らさない
湿った抒情を
排除して
風に吹かれて
脳裡がかわく
そして
真なるもののみ
結晶する
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