裸になれない/星丘涙
詩を紡ぐということは
裸にならなくてはいけない
恥ずかしがっていては
心の襞は描けない
素っ裸にはなれない
野暮な言葉を並べたくはない
ええかっこしいが邪魔をする
綺麗な言葉を並べ
大衆を意識する
本当は隠されている
傷もエゴも汚れも
隠されている
そこに命の輝きはあるのか
躍動はあるのか
無様な生きざまはあるか
綺麗に塗られた墓のように
人間の本当は隠され
愚かさも 失敗も 無力さも
表れてない
人間の本当は、魂の叫びは
ないのではないか
それは詞であって
詩ではないような気がする
本当を綴りたい
そんな勇気が欲しい
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