かなしみの
直方体は
藍色の布に 屹立したまま
*
僅かばかり
目を凝らすと
覚醒した レールの冷たさ
*
明らかに 二つ以上の
時の 長紐たちが
経験へ ぶらさがっている
*
こそぎ取れる
闇の 温さだけで
組成された ジェルを啜る
*
舌の上で
喉飴が融けるように
やがてわたしが あなたを拒むのかも
*
麦藁帽をかぶり
苔むした 階段を
昇った……
*
月光の銀色が
夏の向日葵を冷やしていく
わたしたちは いつまでも似ている
*
ぶってほしい
魂の
頬を
*
此処は 壊れていく
言葉だけ話していては
歌うこともままならない
*
しーんとした
透明の
骨