さくらいろ/犬絵
その頃どんなに目をこらして頑張ってみても
夜空には星と月しかみえず
ひとりでは
生きるってそんなもんだと今でも思っています
時計台のある北の街で感じた
そうでないひととき
その人は白い細い指をのばし よぞらキャンバスに
わけのわからない線を描いてくれました
ぼくがちょっとからかっても
めげずにくり返しくり返し描きつづけてくれました
するといつのまにか夜空に輝く夢たちがあらわれてきました
これが白鳥座
かちほこったようにいうのですが ぼくには十字架にしかみえない
ほんとうにちゃんとみてる
頬と頬をくっつけ ぼくの視線を追いながら
ここよここ
くり返しくり返し
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