昨夜の風/吉岡ペペロ
 
もうだめ

じゃあないだろ

おおきないんせきが

このほしにぶつかろうと

わるいほうこうに

よのなかがながれていこうと

まだだいじょうぶ

いのちをかけて

いきているじゃあないか


昨夜の風に葉っぱは

ぐちゃぐちゃに揉みしだかれて

段差という段差に張りついていた

夏の朝みたいな緑の香がする

打ち明けあった不器用なふたりを

セミの鳴き声が照らしてくれていたね


もうだめ

じゃあないだろ

おおきないんせきが

このほしにぶつかろうと

わるいほうこうに

よのなかがながれていこうと

まだだいじょうぶ

いのちをかけて

いきているじゃあないか





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