フラグメンツ/連音/AB(なかほど)
 
ガー   (やぎさんの草を刈りに)}
  また
  祖母のしわがれた声がかすめてきて
  今度は僕が採りに行こうと決めたのに
  あのミンナ草のある場所さえも 
  もう探せない



サバニ

  やがて
  波の音が聞こえ出すかもしれないので
  確かめるほどでもない
  と言い聞かせ
  足を速めた
  波の音は おーい って
  波の音が おーい って
  小舟の陰では カサカサ って



はんだやー

  よいしょ
  と立ち上がり
  押し入れから炬燵を引っ張り出す
  頬っぺの紅く染まった君の顔が浮かぶたび
  鼻をかんでばか
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