朝メール/ヒヤシンス
寝起きに熱いココアを一杯、これから朝を迎えます。
あなたに吹く風を私にも分けてもらえませんか。
春の嵐のような昨日をすーっと忘れてしまいたいのです。
雲の多い朝ですね。
そちらの天気はどうでしょう。
天気予報でそちらの天気を知るのは味気無いのです。
あなたの声を聞きたい朝です。
けれども電話はしません。
あなたの中に芽吹いている私の雰囲気を壊したくないのです。
文字での心のやり取りは清涼な空気のようです。
お互いの朝の雰囲気を、触れては壊れてしまいそうな繊細な情景を
私はあなたと交わしたい。
窓を開けるとすっかり冷たくなった秋の空気が身に沁みます。
私はいまだ出会ったことの無いあなたとの雰囲気を想像しながら
毎日を築いています。
ココアもすっかり冷めました。
朝の散歩に出かける時間です。
それではどうかあなたにとって良い一日でありますように。
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