馬込文士村にて―萩原朔太郎住居跡―/
服部 剛
朔太郎住居跡へゆく、途中
路面にくしゃり潰れた柿はあり
(種は、離れて落ちており)
あわれな柿の橙色の只中に
くっきりとした蔕(へた)の渦巻く瞳が
遠い過去から
しゃがんで覗く、僕を視ている
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