無題/◇レキ
てよ
痛みを 忘れないように
鮮やかさには血の色も
あまたの原色 心が染まる
その危うさに 恐怖に飲まれ
明日の自分さえ分からなくとも
雨 雨 あがれ
陽射し雲間に美しく
脆く崩れる無意味たちに
美しさを何気なく まとわせて
他とのまろやかさを そして
自分の生の執着でさえ
肯定しようと言おう
平和は退屈か
戦場に愛は転がってないか
荒れ果てた雨風の後の雲の美しさは
澄んだ空気の先の景色は
その先に続く毎日が
くるしい
※
僕は知った
一度開け放たれてしまった扉からの
甘い空気は心に染み
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