ウォー・ウォー、ピース・ピース/田中修子
 
昼寝をします。
寝入ったころにさらりとしたタオルケットをかけてくれるの
ないしょで知っています。

秋、いそがしいお父さんが、庭の柿の木の落とした葉っぱをあつめ
たき火にして焼き芋を焼いてくれて
メラメラととても甘いのです。火の味です。

冬、ときたま雪だけが
ふわふわめちゃめちゃ生きていて
寒いだけだし
松の葉をおなかいっぱいに食べて冬眠しちゃいたい。
それでうっかり起きちゃってスナフキンと
冒険しにでかけるんだ。

そんなわたしも、お母さんになりました。

今日、じゅうたんを近くの家具屋さんに
買いに行きました。
薔薇とナナカマドの実で染めたような色をしているよ。

夕暮れの空を見ます。

水色とピンクと灰色が入り混じって
ひかっていました。

秋の虫がきれいに鳴いています。

わたしはわたしの顔をなくすことなく
あなたが羽ばたいてとんでゆくまで
このちいさな巣箱を
ふかふかにしていたいな。

ほんとうにたいせつなのは
静かに流れてゆく
はるなつあきふゆ
あたりまえにあってききおとされる
鳥や虫の鳴く。
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