猫に戻る日/梅昆布茶
 
ちいさく頷きながら君が去ってゆく夢を見た
現実はそう変わらなくてなにもたくらみは仕掛けられてはいない

年老いた少女はいつも夢の花をアレンジメントしているのだろう
丘の上の孤独な愚か者はさらに愚かになってゆくのかも知れないが

それでもラズベリーパイで世界をエミュレートする
てのひらサイズの愛の物語を

久遠のむかしに仏陀の弟子だったのかもしれない
優しい時代は終わり世界の酷さが露呈してゆく事
それが歴史

最近は詩も描けなくなって僕はいつか猫に戻るのだろう
優しい気紛れな爪をもつ彼女の世界へ

それでもきみは僕を憶えていてくれるかい?


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