短歌11首/あおい満月
 
愛の詩綴るこの指君想い目覚めてみるは淡い面影

泣きたいと願う瞼に涙なしくずれゆく見えぬ思いに涙ありけり

振り返る夜のホームにたちつくす君の振る手に明日の香りが

降り続く雨の後の空架かる虹我を笑わす君の言の葉

秋雨に濡れる花びら目を閉じて木槿の花ももう終わりかな

月を見て君を想うは我が心君の心に我はいるのか

握る手の汗のぬくもり心地よく君の優しさ瞼を濡らす

目を閉じたその先の君笑ってる空に降る星橙色

平日の朝の街歩く我が手には揚げ菓子をかじり君をめぐらす

夢の先咲いては萎む幼子の花の笑顔が我の肩掴む

指つまむチョコの甘さに酔いしれて心は遠い森を漂う



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