3000日目の黒い花嫁衣装/水戸 うしん
 
人通り。車通り。
消え去った、午前2時と12分

2人の間に秋風が吹き抜けた。


ぶどう味の紫煙と一緒に
マンションの裏に座る。

ボンヤリ見た先にハチワレが歩く。
のんびり、軽やかに。
心はどっしりと重いから、
目先だけ軽くなった気がした。

時折くる車の、ヘッドライトに
視界を潰され、心で潰す。
苛立っている。秋の夜長に、

ブルース。が似合う。

そんな小洒落たもんはいらない。


私が悪いのか。お前が悪いんだ。

俺は、決めたから。
俺は、寂しかった。
俺が、どんな思いだったか。
俺が、お前の為に。
俺は、何だったんだ。


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