君と夏/あおい満月
 
秋晴れに君を想うは遠い夏指先残る君のぬくもり

吹き抜ける草原の風耳澄まし彼方に君の声が聴こえる

この皮膚の何処かに夏を探したく外した指輪白き面影

君の身に刻みたくても刻めない募る想いは赤き血となる

暗闇に灯る光のあたたかさ言葉は君とつなぐ手のなか

君の名を囁く声は陽を浴びて草原のごとく気高くなびき

ほの暗き思念の底に映るのはありしき日々の遠い思い出

一指が触れて紡がれし言の葉は甘く切なくほろ苦く

逢いたいと願う心は膨らんで果実のごとくたわわに実る

君がため溢れる涙ぬぐわずにまた逢う日まで胸に忍ばせ

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