朝の日記 2017夏/たま
 
はもう追いかけるばかりの余白が残された
とりあえず家事を覚えなければいけない
雨戸の開け閉めと布団干し
洗濯物のあと片付けと風呂洗い
炊事洗濯はちょっと無理かも……まあいいか
九月に入って夏の子はふいにいなくなった
あくる朝の枝には子をさがす親がいた
元気に飛び立つそのすがたを見送ったわけでないけれど
夏の子は風に追われ
自我に追われ
晩夏のことばに追われて一気に巣立ったはずだ
もう二度と出会えないだろうし
紅い瞳になったら見分けることもできないだろうし
でも夏の子は覚えているかもしれない
生まれたままのわたしの瞳の色を
残された余白にちいさく誠実と書く
ただそれだけを追いかけて
今日を生きるひとでありたい
カラスは、もういない











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