白昼夢/ミナト 螢
 
意識の半分が光に溶けて
何十年も先の海を歩く
白髪を染める気もないままで

砂浜に書いた詩を携えて
地球は僕の思想で回るのさ

高波に打ち消されたとしても
ビールの空き缶を握り潰せば
砂時計のような形をした
安っぽいおもちゃに遊ばれている

物静かな午後に憩う場所は
老いぼれた家のロッキングチェア
レコードをかけて目を閉じてみると
昔よく聴いたバンドの音楽

意識の残りが耳に届いて
光の彼方や空の向こうに
僕の何十年先を見た

足音や車の音もなくて
人々は既に息絶えていて
寿命が延びて生き残ったのが
僕だけだったらどうしようかな?

あぁせめて髪を染めて
皆んなと一緒の時代に戻り
僕が若返れば解決する
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