最強。な雑魚/水戸 うしん
 
なにも見えない
いいとこなんて見てない
そんなとこ見なかった
葉月。の海月から、棘言葉を聞いた。


雨水が海面を打ちつける、
飛び込み方、を間違えれば、打身。

そんな海原をみていたら
雨が強くて、口の中にも。入ってくるから
ぺっ、と吐き出す。

塩っぱい雨水。
全身で雨と、汐風を浴びる。

前を見れば、鉛色。の海面。
上を見れば、消炭色。の空。


柔らかな場所。棘が抜けない。

長月の汐風は身体の体温を
どんどん奪っていく。


お願い。伝えるとき。
私の、体温が無いと、だめなの。

奪わないで。おねがい、


行く宛も無く、た
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