『今宵の開花』出版にあたって。/小川麻由美
 
「私は幸福である」と人は如何なる場合でも感じる事は可能だろうか?
以前、テレビで寝たきりの老人が「生かされているだけで幸せです」とおっしゃったのを見た。そういった心理は多幸感と言うそうだ。
私は驚いた。何がこの境地に至らせたのか、未熟な私にはわからない。
ただ謙虚という重要な言葉がある事だけはわかる。
この詩集が、力強いドローンに支えられ歌われるブルガリアの民謡のような美しさを少しでも感じさせるものであれば、私は満足するだろう。
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