『しょっぱいおっぱい』/座一
 


夏の暑い日
しょっぱいおっぱい飲みたい
ぼくは泣いているのに
どうしてひとり置いてくの

病気がちな ぼくを
病院まで連れて行く
握った手が いつもより固く繋がれて
いつもより早足で ぐんぐん景色を追い越していく

小さな手 さいわいの日々
もうどこかに行ってしまったけれど
戻れない 戻りたい
あの温かい背中を もう一度抱きしめたい

しょっぱいおっぱい
涙の味
あの時は気付けなかった

しょっぱいおっぱい
汗の味
いっぱいいっぱい愛されてた

ありがとう
ありがとう
ありがとう

産んでくれて、
育ててくれて、ありがとう。

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