海路/
レタス
あれは化石の街だった
すべてが固まって
ぼくは言葉を失ってしまった
ある漁師は寡黙に作業をしている
ラーメンを啜りながら
海辺の波をみたら
視界は空を広げ
腕の血管のボルトを力いっぱい絞めて
また歩いて行こうと思った
クリニックは遠くて
とぼとぼと歩くと電柱のヤモリが笑っていた
その柔らかさを指にとどめて
腕の血管を絞めて
生きていたいと思っていた
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