ゆめのぬいめ/むぎのようこ
 
いつだって冷たく
ほどけていたかっただけ

夢の
ぬいめをほどく夢を
みている
きみのまぶたを縫う
針をはう
つきあかりを
しらないきみの
すこやかな呼吸の
灯したひかり
ほどけてはむすぶ
つづきは
いつかきかせて

いつだってどこへも
ゆけるから
どこへもゆかない
ほどけては
つづく
夢を
編みつづけるきみの
夢のなか
冷たく
ほどけていたかっただけ








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