権力への意志/鷲田
一直線に伸びた微粒子の放出
光りは彼方へと繋がり
藍色の権力は力強さと共に形を残す
過ぎ去る景色
そこには風がなく
過ぎ去る感情
そこには母の優しさが無い
やがて果実は実を開く
飢えた双子はその実をムシャムシャと食らう
集団から抜け出した鋭角の矢
怒りに刺激された肉体は
不安と共に空に舞う
この世界では
言葉がピンポン玉のように軽い
全ての物が機能的であり
壁はいとも簡単にドリルで穴を空けられ
生は活性化する
そして個となる
曖昧なる雲
土を湿らす霧雨よ
その落ちた水滴の冷たさに
君の心が温まるのであれば
私達はまだこの旅を
続けることが出来るのだろう
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